不動産売却にあたり、近年ではインスペクションがよくおこなわれています。
実施には多少の費用がかかりますが、売主にとってのメリットもあるため、状況に応じて実行してみると良いでしょう。
今回はインスペクションの基本のほか、実施するメリットや費用もご紹介します。
不動産売却時におこなわれるインスペクションとは？
インスペクションは建築士などの専門家がおこなう建物の調査のことであり、構造耐力上主要な部分と雨水の侵入を防止する部分がそれぞれ調べられます。
具体的な方法や基準は国が定めており、調査の依頼先によって内容や結果が異なることはありません。
不動産売買の仲介会社においては、インスペクションに関する説明や調査をする専門家の仲介が近年義務化されています。
売主が実際に調査を依頼するかどうかは自由であり、何もしなくとも不動産売却は可能です。
ただし、インスペクションの実施の有無や結果は買主に対して開示されます。
また専門家に物件を調べてもらうことには後述するように売主にとってもメリットがあるので、適宜ご利用ください。
なお物件の状態によって査定額が変わる可能性があるため、インスペクションは売却活動を始める前に済ませておくと良いでしょう。
不動産売却にあたってインスペクションをするメリット
あらかじめインスペクションをしておくと買主からの反応が良くなり、不動産が売れやすくなります。
買主にとって物件の瑕疵は主な懸念事項であり、詳細を把握できるほうが安心して購入できるからです。
またインスペクションの実施により、将来のトラブルも比較的避けやすくなります。
たとえ売主も知らなかったものだとしても、売買の際にご説明されていない瑕疵は問題視されやすく、苦情につながることも多いです。
また不動産の売主は近年では契約不適合責任を負う場合が多く、売却した物件が売買契約書の記載内容と異なる状態にあるとき、買主から要望があれば修繕などの対応を取らないといけません。
専門家の調査を事前に受けておけば瑕疵を少しでも見落としにくくなり、売却後に買主と揉めたり、予想外の修繕を請求されたりするリスクも下がります。
不動産売却時のインスペクションにかかる費用
マンションでも一戸建てでも、インスペクションにかかる費用は約5万円です。
ただし、一戸建ての場合は建物の面積に応じて金額が変わることがあり、大きな住宅で調査を実施する場合は少し費用がかさむこともあります。
また、多くの機材を使用する詳細な調査を頼んだ場合は10万円以上かかったり、オプション対応を依頼すると料金が都度加算されたりもします。
最終的にいくらとなるかは物件の条件と希望する調査の内容によって多少異なるため、インスペクションを正式に依頼する前によくご確認ください。
まとめ
専門家がおこなう建物の調査であるインスペクションには、物件が売れやすくなる、将来トラブルに見舞われにくくなるなどのメリットがあります。
費用はケースバイケースではありますが、目安は5万円と比較的少額であるため、不動産売却にあたって調査の実施をぜひ検討してみてください。
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